第4回「大学は美味しい!!」フェア 商品開発編
越後湯沢に「赤ちゃん一時避難プロジェクト」が震災後開設され8月25日まで開設していました。大勢の母子が母子専用の避難所で周囲の目を気にすることなく生活をしていました。
http://baby.wiez.net
福島県を中心に母子104組(6月当時)が避難生活を送るホテルを借り上げた避難所に5月の連休明けから訪問するようになりました。第5期リーターの高橋さんがガトウ専科と米粉で「卵、乳、小麦」を使わないスイーツを試作。事前に赤プロのスタッフに「食物アレルギーの子供はいますか」と尋ねたところ、「1家族だけ食物アレルギーの幼児1名がいる」とのことでした。
夕食に集まってきた母子に「アレルギー対応の米粉スイーツを配っています!」と声をかけました。
びっくりしたことに次々に「うちの子供食物アレルギーなんです!」「原料は何を使っているの?」と瞬く間に受けとっていきます。試作の数量が少なく半分位の母子にしか配布できませんでしたが、3組5人の食物アレルギーの幼児を発見。配れなかった残り半分の家族にも食物アレルギーの幼児。乳児いると推測できます(仲良くなった母親の話ではアレルギー児が結構いるとの話でした)。
赤プロのような母子のための避難施設で医療スタッフが常駐しているにもかかわらず、「食物アレルギー」と言い出せず遠慮している母子。ただ、ただひたすら自分で抱え込んで耐え忍ぶ・・・。
米粉で「小麦・乳・卵」を使用せず、だれでもが食べられるバリアフリーなスイーツを開発すること。それが、東日本大震災から学んだ「家政大生で白藤プロジェクト」だからこそできること。
大きな自然災害から逃れ助かった命が避難所で「食べるられるものがない」という二重の被災から救いたい、次の災害では同じことを繰り返さないことが栄養士を目指す学生の使命と実感。
今回の「大学は美味しい!!」フェアの「食のバリアフリー」とのコンセプトは学生の災害支援体験から生まれました。
自分達がやらなければならないことを学んだ学生達の動きは素早く、ガトウ専科と連携して米粉スイーツの開発に着手しました。
「大学は美味しい!!」フェアは、本来、参加申し込みをした時点で商品として完成されていなければなりません。しかし、東日本大震災から学んだバリアフリーな米粉スイーツは「ゼロ」からのスタートに等しいものでした。で髙島屋という舞台で商品として販売するにはあまりにも限られた時間しかありませんでした。
ですから、運営責任者(エコ・ライス新潟)、スイーツ製造者(ガトウ専科)、開発者(学生)の立場の違いから
衝突することもありました。
「情熱と現実」は常に悩ましい問題で「締め切りとこだわり」のぶつかり合い・・・。一時は「もうダメかな・・・。」とあきらめかけたときもありましたが、「世に出したい!」との強い思いで合格点には到達できたか分りませんが開催までに間に合わせることができました。
今回の反省をしてブラッシュアップとともにタイムスケジュール管理を強化することが課題です。
同じく商品のラベルデザインもバタバタ状態でした。原因はわかっていました。白藤プロジェクトは栄養学科の学生が新潟での農業体験などを大切にしてそのイメージをデザインに生かしたいこと。
造形表現学科の学生は新潟での体験がないので「商品イメージ」からデザインをしていること。
白藤諸白と白藤ビールのデザインを担当した造形表現学科の伊藤久美子さんは、2月に酒仕込みに参加したり、「大学は美味しい!!」フェア関西分校編で一緒に1週間売り子をして両者の良さ悪さを体験しているので、両者の気持ちを理解してデザインをしたので一発で決定しました。
しかし、米粉スイーツはかなりの労力を掛けた力作のデザイン案を沢山考えてもらいました。しかし、両者のイメージの隔たりは大きくなかなか決定には至らず、開催の数日前に印刷があがるという冷や汗ものでした。
限られた時間、違う学科などハードルは何個もありましたが間に合うことができました。
この開催に至るまでの紆余曲折、衝突、妥協、・・・白藤プロジェクトにとって「大学は美味しい!!」フェアは
その全てが学生の成長につながっていると思います。