「作況調整」でバタバタ!
今年の作柄は異常気象でかなりの不作になると感じていました。
7月末の豪雨被害、猛暑…。稲刈りが始まっても生産者からは「米が少ない」との声ばかり聞こえました。
しかし、農水省の10月15日付の作況指数では、「上越103」「新潟南98」「長岡99」の指数…。
「あっ」と驚く発表に上へ下への大騒ぎ!
上越地区で生産調整(減反)を加工米で選択した生産者は顔が青ざめました。通常、加工米は早生品種を栽培しますが、早生なので8月末から9月初旬に収穫を行います。ですから、当然最初に出荷するので生産者のところに米は残っていません。ですから、10月末に作況指数が発表されても出荷できる米はないのです。
(上越から集荷してきた作況調整のオーバーした加工米をトッラックで運ぶ)
昨日は、上越の4名の生産者から作況指数でオーバーした「4」分の加工米を集荷しました。
例えば、加工米を「100俵」の出荷契約をしていたら、「103俵」出荷しなければなりません。もし、この3俵を出荷しなければ「生産調整未達成」となり、水田利活用の補助金などを受けることができません。大変厳しい制度なのです。
昨日集荷した方で、3名は既に出荷した早生米を生産者が売り渡した価格より高い値段で買い戻して出荷。1名は自身が保有している市場価格の高いコシヒカリを代替で出荷…。どちらも身を削る辛い選択です。
作況指数「98」「99」の地域では真逆になります。生産者が出荷した加工米を指数にあわせて減数します。この場合は加工米の実需者の酒蔵や加工食品メーカーが困ります。予定していた原料が足りなくなり、値段の高い米を市場から買い求めなければなりません。
いずれにせよ、間に入っているエコ・ライスは、生産者と実需者に挟まれたサンドイッチ状態で辛い立場に困惑しています。